太陽光発電の盗難対策は保険だけでは不十分!リスクを最小限にする4つの盗難防止策

太陽光発電を導入する際にはついつい売電収入やコストのことばかりに目がいってしまいますが、実は盗難対策をすることがとても大事。

なぜなら太陽光発電設備のパネルやケーブルは盗難される危険性が大いにあるからです。

特に、

  • 無人
  • 住宅や人通りが比較的少ない場所
  • フェンスがない、もしくはあっても金網フェンスだけで容易に侵入可能
  • 防犯カメラなし

このような太陽光発電所をお持ちの方は盗難の被害にあう可能性が高いので要注意です!

この記事ではどのような被害があるのか、そして被害にあわないための対策まで徹底的にご紹介していきます。この記事を読んでご自分の太陽光発電所を盗難から守りましょう!

産業用太陽光発電は盗難のターゲットになりやすい

太陽光発電の盗難で1番に狙われるのは、産業用の太陽光発電設備です。

産業用太陽光発電設備とは家庭用の屋根に取り付けられているような小規模な施設ではなく、出力が10kw以上の大型の設備で、人通りの少ない場所に設置されていたり、管理者がずっと監視しているわけではないので、盗難しても気づかれにくいという点から盗難被害を受けやすくなっています。

またその中でも、設備の周りにフェンスがない・もしくは金網だけ防犯カメラがない太陽光発電設備を運営されている方は盗難被害に遭う可能性が高いため、盗難対策が必要不可欠です。

2019年の5月には、栃木県那須町で太陽光パネル1,772枚が盗まれる事件が発生しました。被害総額は2,000万円以上にものぼるなど、その被害の大きさは計り知れません。このような事件に巻き込まれないためにも、盗難対策を万全にすることが大切になります。

太陽光発電の盗難被害で多いのはこの2つ

①太陽光パネルの盗難

太陽光パネルが盗難される事件はこれまでに何度もニュースに取り上げられています。

しかし、実際にはパネルが盗難されるケースは比較的少ないです。

なぜなら、太陽光パネルを盗もうとすると以下のようなことが起こるからです。

  1. パネルの重量が大きく運ぶのが大変
  2. シリアルナンバーがついているため犯人の特定が容易

太陽光のパネルは1枚でおよそ15キロ。そのため、1人での犯行はほぼ不可能なので、集団で行う必要があり、犯行が目立つことから、パネルは盗難被害の対象にはなりづらいです。

また、太陽光発電のパネルにはひとつひとつにシリアルナンバーが決められており、徹底に管理されています。そのため、盗難した太陽光パネルなどはすぐに発見され、犯人特定も容易なため盗難というリスクを犯せないのです。

しかしながら、このシリアルナンバーで管理できるのは基本的に国内のみです。海外に転売されてしまうとそこまで追って犯人を特定することはほぼ不可能です

海外では太陽光パネルが高値で取引できるため、初めから海外に転売することを目的としてパネルの盗難をするケースもあるので注意が必要です。

②ケーブルの盗難

実はケーブルが盗難されるケースが1番多いです。

なぜかと言うと、

  1. 運ぶのが簡単で盗みやすい
  2. 銅でできており換金率が高い

この2つの理由があるからです。

ケーブルは切断もしやすく盗難が容易です。さらにパネルのようにシリアルナンバーもないので捕まるリスクも少ないことが被害を拡大させている要因となっています。

盗難から太陽光発電を守る!効果的な4つの盗難防止対策

①1番効果的なのは監視カメラの設置

パネルだけでなくケーブルも盗難の被害にあうなど、太陽光発電の盗難被害は深刻化しています。

そのため有効な対策が求められますが、1番効果的な対策は監視カメラの導入です。

特に、人通りが少なく無人で運営している太陽光発電設備を運営しているのであれば監視カメラの導入は必須と言えるでしょう。この場合、カメラを購入したり、月額制で設備をレンタルするといった方法が存在します。

しかし監視カメラ導入における最大のデメリットは設置費用の高さです。カメラ一台でも数万〜10万円ほどかかりますし、設備が大きければその分台数を増やす必要もあります。また、月額制のサービスでも毎月2〜3万円のコストががかります

しかしながら、この監視カメラには大きなメリットも存在します。

  1. カメラがあるだけで犯人が狙いにくくなる
  2. PCやスマホでどこにいても24時間確認可能
  3. 設備の除草やメンテナンスを適切な時期で行うことができる

以上の3点メリットがありますが、最大の利点は、カメラの存在が犯人の犯罪心理に大きなブレーキをかけるという点。

住宅などでも、監視カメラ作動中の看板を立てるだけで空き巣防止に繋がると言われているなど、犯罪をする人にとって監視カメラの存在はとても大きいです。

また、カメラを設置することで犯人の特定も容易になったり、どこにいても太陽光発電の確認ができるいうメリットもあります。急な大雨や災害が起きた場合でも、手元のPCやスマホで状況をすぐに確認できるので対応も迅速に行うことができます。

さらに、監視カメラで発電所の状況を確認することによって、わざわざ定期的に太陽光発電所の様子をチェックしに現地にいくことなく、適切なタイミングで設備のメンテナンスや除草ができるといった、犯罪対策以外にもメリットがあります

②センサーライトやブザーの設置でさらなる防犯効果

監視カメラの設置と合わせて、センサーライトブザーを設置することで防犯効果が一気にアップします。ライトがつくことで犯罪者の心理には大きな動揺が生まれ、監視カメラへの画像もより鮮明になることから、犯人特定の可能性が上がるので大きな防犯効果があります。

また、ブザーも周りの人へ大きな注目を集めることになり、合わせて設置するとより効果が見込めます。

③定期的なメンテナンスも効果大

実は、定期的なメンテナンスも大きな効果があります。メンテナンスを行うということは定期的に設備の管理を行なっているということ。太陽光発電の設備を狙う泥棒は、あまり管理されていない放置された太陽光発電設備を好んで狙います。

つまり、定期的にメンテナンスを行い設備の管理を行なっている太陽光発電は狙われにくいのです

④有刺鉄線もあれば大船に乗ったような安心感

設備の周りにフェンスなどを設置している方も多いかもしれませんが、有刺鉄線に変えることでさらなる防犯効果を期待することができます。

フェンスがない設備では泥棒に「どうぞ入ってください!」と言っているようなもの。かといってただのフェンスでは簡単にこじ開けられてしまい、あまり防犯としての効果はありません。

しかし、有刺鉄線であればこじ開けるのもよじ登るの困難です。そもそも設備に入れさせないという防犯がある意味最強とも言えるでしょう

最悪の事態に備えて保険に入ることが大切

ここまで太陽光発電の盗難にあわないための対策をいくつかご紹介しました。

今の時代は何が起こるか予想ができません。そのため、万全の準備をしていても、残念ながら盗難にあってしまう可能性があります。

最悪な場合に備えて、盗難などにあったときに補償してくれる保険に入ることをおすすめします

盗難被害にあった際に補償をしてくれる保険は主に、火災保険と動産総合保険の2種類です

盗難によって発電できなくなると大きな損失を生むことになるので、保険料もランニングコストと考え、あらかじめ保険に入っておくのが賢明です。

保険だけではなく防犯カメラも設置して自分の発電所を守ろう!

ここまで太陽光発電の盗難対策に加え、保険に入ることも大切とご紹介してきました。しかし、多くの方が保険に入るのですが、防犯カメラまでは設置していないのが現状です。

確かに保険に入ることは最低限の対策ですし、補償があるので安心されるかと思います。けれども、保険は盗難を予防するものでは決してありません。盗難にあった際の最後の救いの手段なのです。

仮に太陽光発電のパネルやケーブルが盗まれたとしましょう。この時に保険によってお金がおりたとしても、今後の太陽光発電の運用はどうするのでしょうか?太陽光発電を運用するということは、毎年の安定した売電収入を見込んでのことだと思います。

しかし、パネルやケーブルが盗まれてしまえば設備の復旧には大きな時間を必要とします。もちろん、その期間は運用できないので売電収入はゼロです。つまり、盗難にあうと保険で賄える範囲を超えて損失してしまうことになるのです

そのため、保険に入って安心するのではなく、防犯カメラも導入して万全の対策をとることが大切です。最初はそのコストに決断できないかもしれませんが、リスクを考慮すれば防犯カメラを導入することが得策といえます。

もしコスト面ですぐに導入が厳しい場合は、防犯カメラ作動中と書かれた警告看板を貼ったり、センサーライトやブザーなどの比較的導入のしやすいものから対策を行うようにしましょう。

盗難対策をしっかりとして、ご自分の太陽光発電設備はご自分で守ってくださいね。